舌小帯短縮症とは?発音にも影響が出るってホント?チェック方法と治療について紹介
舌小帯短縮症とは、舌の裏側についているヒダ(舌小帯)の長さが生まれつき短い状態のことを言います。
舌小帯短縮症があっても発音に問題はないことも多いのですが、程度によっては、発音や食事に影響する場合があります。
今回は、舌小帯短縮症についてと、チェックポイント、治療法について言語聴覚士が紹介していきます。
舌小帯短縮症とは?
舌小帯とは、舌の裏側についている粘膜のヒダのことです。
舌小帯短縮症とは、舌小帯の長さが生まれつき短かったり、ヒダの位置が通常より前にある状態のことです。
舌小帯癒着症、舌強直症、ハート舌とも呼ばれます。
ハート舌という呼ばれ方は、舌を出してもらうと舌先がハート型に見える場合があることからです。
舌小帯短縮症があると、舌を前後左右に動かす時に舌が引きつったりすることがあります。
発音(構音)に影響が出る場合も
舌小帯短縮症には程度があり、舌小帯短縮の程度が大きいほど、舌の運動範囲に制限が出ます。
舌小帯短縮症があっても発音に問題はないことも多いですし、どの程度発音などに影響するかは、舌小帯短縮症の程度によります。
発音に影響する場合、舌を動かしにくいため舌足らずになったり、「さ行」「た行」「ら行」などのに舌の先を使う音が言いにくくなります。
舌小帯短縮症のチェック
舌小帯短縮症は、舌の運動範囲を確認することでチェックすることができます。
専門家は、次のような項目をチェックしています。
- 舌の先をどの程度上にあげられるか
- 舌を前にどの程度突き出せるか
- 舌を突き出したときの、舌の先のひきつり方
- 舌を前後左右に動かせるか
- 発音のチェック
ここでは、ご家庭でもできるチェック方法について紹介します。
おうちでできる舌小帯短縮症の簡単なチェック方法
次の手順で実施してみてください。
- 大きく口を開けてもらう
- 口を開けたまま、舌の先を口の中の天井につけてもらう(舌の先を挙げる)
大きく口を開けた状態で、舌の先を口の大きさの2分の1以上挙げられない場合、舌小帯短縮症の可能性があります。
発音に影響がでる程度かの判断は難しいため、もし心配になったら言語聴覚士などの専門家に相談してみてくださいね。
舌小帯短縮症の治療方法
舌小帯短縮症の治療には、舌の運動訓練、構音訓練、手術の3つの方法があります。
治療方法について詳しく説明していきます。
年齢や程度によっては様子をみる
舌小帯短縮症は、成長に伴って改善する場合も多いです。
特に2歳未満のお子さまの場合、食事に影響が出ていないならばもう少し成長を待ってみても良いでしょう。
また、軽度の舌小帯短縮症の場合、舌の運動範囲に大きな制限がなければ、手術などは行わず舌運動訓練で様子を見るのがおすすめです。
舌運動訓練
舌小帯短縮症は、程度によっては舌の運動訓練で改善させることができます。
手術を行う前に、まずは舌の運動訓練を数ヶ月程度試してみると良いです。
KIZUKIでは、1〜2週間に1回程度の言語聴覚士によるレッスンと、ご家庭での毎日の舌運動訓練をおすすめしています。
舌小帯短縮症の手術
舌小帯短縮症があって舌を動かしにくく、舌運動訓練でも改善しない場合、手術も選択肢のひとつです。
手術は保険適応で行うことができます。
幼い子どもに実施することは少なく、小学校に入ってもやはり舌の動きや発音について気になる場合、検討してみても良いでしょう。
構音訓練(発音指導)
舌小帯短縮症が軽度の場合や、舌運動訓練や手術で舌の運動範囲が改善した場合、構音訓練(発音指導)を行います。
言語聴覚士による構音訓練の流れについては、こちらのページをご参照ください。
まとめ・終わりに
今回は、舌小帯短縮症について紹介しました。
舌小帯短縮症があると、舌を動かしにくいため、「さ行」「た行」「ら行」などの発音や、全体的な滑舌に影響が出る場合もあります。
舌小帯短縮症による発音の不明瞭さは、舌の運動訓練や構音訓練で治る場合も多いので、まずは言語聴覚士に相談しましょう。
KIZUKIは言語聴覚士による発音改善レッスンの教室です
KIZUKIでは、言語聴覚士による発音レッスンを行っています。
発音や滑舌について気になったら、どうぞお気軽にご相談くださいね。