子どもの滑舌が気になったら。発音チェックと発音練習(構音検査と構音訓練)について

2019年10月31日

このページでは、子供に多い発音の問題(構音障害)と、構音検査や構音訓練についてご説明します。

子どもは初めから完璧な発音でおしゃべりができるわけではありません。

どのような場合に、専門的な構音検査や構音訓練が必要になるのでしょうか?

日本語のすべての構音が完成するのは6歳ぐらい

どの子どもも、初めは発音は完全ではなくはっきりしないのが普通です。

言語発達の過程で、周囲の大人の発音を真似をし たり、自分で修正しながら、だんだんと正確な音を出せるようになっていきます。

ことばの発音を作る動作のことを「構音」と呼び、構音の発達には大きな個人差があります。

日本語の音をすべて正しく言えるようになるのは6歳ごろとも言われていて、2〜5歳で正確に言えない音があるのはよくあることです。

日本語には構音(発音)が簡単な音と難しい音がある

構音可能な発達年齢の目安を紹介します

  • 1歳〜2歳:母音、パ行、バ行、マ行、ヤ行
  • 2歳〜3歳:タ行、ダ行、ナ行、シャ行、ジャ行、チャ行
  • 3歳〜4歳:カ行、ガ行、ハ行
  • 4歳〜5歳:サ行、ザ行、ラ行

(個人差があります)

すべての音が言えるようになるまでは、子どもは難しい音を簡単な音に言い換えて発音したりします。

例えば、「さかな」の「さ」は子どもにとって難しい音です。

「さ」を言いやすい「た」「しゃ」に言い換えて「たかな」や「しゃかな」と言ったりします。

これが、いわゆる赤ちゃん言葉です。

がんばっておしゃべりしている姿って可愛いですね。

でも、赤ちゃん言葉がずっと続いてしまったら、心配になってしまいますよね。

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子どもの構音障害の種類について解説

子どもが初めからうまく発音できないのは普通のことです。

先ほど紹介したような発音可能な発達年齢を過ぎてもうまく発音できない場合を、構音障害と言います。

障害といっても、多くの子どもたちと接していてよく見かける状態ですし、多くの場合は適切な構音訓練で改善するので、心配はしすぎないでくださいね。

子どもの構音障害の原因

子どもの構音障害を原因によって分類すると次のようになります。

  1. 聴覚に問題がある場合
  2. 口の中の形態や機能に問題がある場合(口蓋裂など)
  3. 聴覚や口の中の機能に問題はないが構音障害がある場合

1と2の聴覚や口の中の機能に問題がある場合は、まずは耳鼻咽喉科や形成外科を受診して適切な治療を行う必要があります。

3の、明らかな原因がないのに、構音に異常がある場合を、「機能性構音障害」と呼びます。機能性構音障害は最も多くみられます。

1と2はいずれ詳しくご説明しますので、今回は3の機能性構音障害について、詳しく紹介していきます。

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機能性構音障害には自然に治りにくいものもある

機能性構音障害には、治りやすいものと、治りにくいものがあります。

  • 構音発達途上に見られる「赤ちゃんことば」が残っている場合:訓練で治りやすい
  • 発音に良くないくせがついている「異常構音」:訓練で治るが根気が必要

先ほど紹介したような、「さかな」が「たかな」や「しゃかな」になっている場合、発達途上によく見られるので、ある意味正常な誤り方です。

このような発達途上の誤りは比較的すぐに改善する場合が多いです。

逆に、通常に構音発達途上では見られない、「良くない構音のくせ」がついている場合を異常構音と呼びます。

話し方の「くせ」になっているため自然には治りにくく、構音訓練にも根気が必要です。

なるべく早めに発見して「くせ」を直してあげる必要があります。

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構音検査って何をするの?何がわかるの?

お子さまの発音や滑舌が気になった場合、どうすれば良いのでしょうか。

子どもの発音の多くは自然に発達するため心配いりませんが、中には訓練の必要な構音障害や治りにくい異常構音である場合もあります。

発音や滑舌が心配になったら、構音検査をお勧めしております。

構音検査をすることにより、子どもの構音が正常範囲のものか、訓練が必要か、判断することができます。

構音検査の内容

構音検査の内容を紹介します。

  1. 単語検査
  2. 音節復唱検査
  3. 文章検査
  4. 構音類似運動の検査
  5. 呼気鼻漏出の検査

1の単語検査では、50個の単語を絵カードや写真を見ながら発音してもらい、子どもの構音の状態について評価します。

2の音節復唱検査と3の文章検査では、検査者のまねをして単音1文字や文章を復唱してもらい、子どもの構音の状態について評価します。

4の構音類似運動の検査では、舌の動かし方や息の出し方などをチェックして、構音に必要な口の中の動きができているかどうかを評価します。

5の呼気鼻漏出の検査では、発声する時に鼻から息が漏れていないかを、特殊な鏡を使って評価します。

KIZUKIではこれらの検査を必要に応じて行い、結果を分析して、構音訓練が必要かどうか慎重に判断しています。

(お子さまが飽きてしまう場合は結果に影響するため、無理せず複数回に分けて実施します)

構音訓練の頻度や流れについて紹介

構音検査の結果、構音訓練が必要な場合、KIZUKIでは言語聴覚士による1対1の構音訓練を行うことができます。

構音訓練とは、構音(発音)を正しい音に修正するための指導と練習のことです。

言語発達の様子を見て、すぐには行わない方が良い場合もあるため、構音訓練の開始時は慎重に判断しています。

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構音訓練の流れ

構音訓練にはいろいろな方法がありますが、KIZUKIでは次のような順序で行っています。

  1. 誤り音の聞き分け練習
  2. 舌の位置と息の出し方の練習
  3. 単音節の練習
  4. 無意味音節の練習
  5. 単語練習
  6. 短文練習
  7. 本読みや歌での練習
  8. 遊びやゲームの中での会話練習

子どもにいきなり正しい音を言わせようとしても難しいです。

構音訓練は、段階ごとに確実に根気強く練習をしていくことが大切です。

段階ごとの練習が、遠回りに見えても最も効率的です。

練習方法を覚えて家庭でも練習を

1〜2週間に1度の言語聴覚士による構音訓練をお勧めしています。

しかし、1〜2週間に一度の30分ほどの構音訓練のみでの改善には時間がかかる場合が多いです。

構音訓練の際にはできるだけ保護者の方に同席していただき、練習方法を覚えてお家でも実践して頂くようお願いしています。

1日5分でも良いので継続することにより、正しい発音の仕方が定着しやすくなります。

まとめ・終わりに

今回は、子どもの機能性構音障害についてと、言語聴覚士による発音トレーニング(構音訓練)について紹介しました。

KIZUKIでは、言語聴覚士による個別の発音改善レッスンを行なっています。

お子さまの発音や滑舌について気になったら、どうぞお気軽にご相談くださいね。