「グレーゾーン」の子どもとは?適応行動のつまづきがあるかも
発達障害のグレーゾーンの子どもとは、何らかの発達障害の傾向があっても診断名はつかない子どものことを言います。
このページでは、グレーゾーンの子どもたちに対するサポートの必要性と内容について紹介します!
グレーゾーンの子どもは気づかれにくい
グレーゾーンの子どもたちは、診断名がつかないため、適切な支援が行われていなかったり、気づくのが遅れることがあります。
- ASD(自閉症スペクトラム)
- ADHD(注意欠陥多動性障害)
- LD(学習障害)
- 知的障害
などの診断基準を満たさないため、グレーゾーンの場合は検査でも分かりにくいです。
なかにはグレーゾーンと気づかれないまま発達し、不登校・引きこもりになってしまうことがあります。
※不登校の子どもが必ずしも発達障害グレーゾーンであるわけではありません。
さらに、学校を出て社会に出ても、仕事をする上で困難さに直面することもあります。
グレーゾーンの子どもたちは、「発達障害の傾向がありながらも周囲のサポートを受けにくい」という問題があります。
周囲がその子の個性を理解して、うまく支えてあげることが大切です。
子どものつまづきポイントをチェック&サポート
グレーゾーンの子どもたちは、発達検査や知能検査をしても、明らかな遅れはないこともあり、言語機能も正常だったりします。
それでは、どこで「つまづき」が現れやすいのかというと、日常生活や集団生活での「適応行動」です。
適応行動とは
適応行動とは、知能(IQ)では測ることのできない能力を意味します。
- 状況に合わせて行動する能力
- 他者とのコミュニケーション能力
といった、社会に適応して生き抜くための力のことです。
知能検査ではわからない「適応行動」を評価して強みと弱みを分析する
まずは、子どもの適応行動の発達状況について知り、今どの領域で困難さがありサポートが必要かどうか客観的に知ることが大切です。
KIZUKIでは、VinelandⅡ適応行動尺度という基準に沿って、まずは適応行動についてチェックしています。
VinelandⅡを用いると、発達検査や知能検査ではわからない、適応行動についての評価をすることができます。
評価方法は、子どもに対して何か検査をするわけではなく、お子さまを一番よく知る保護者の方への面接形式で行います。面接にはだいたい40分ぐらいかかります。
そして、保護者の方に答えていただいた結果から、子どものコミュニケーション、日常生活スキル、社会性、運動スキル、不適応スキルについて評価します。
そして、どの領域に強みがあり、どの領域に弱みがあるかを分析します。
検査結果は詳しく分析し、後日レポートにして保護者さまにお渡ししています。
子どもの長所を伸ばして自信へとつながる
適応行動の検査をすれば、子どもの強みと弱みの領域がわかります。
グレーゾーンの子どもの場合、苦手な領域を伸ばすというよりは、強みをさらに伸ばし得意分野を作ることをお勧めしています。
できないことを努力して、できるようになることは、もちろんあります。
しかし、努力しても難しい場合もあります。弱みについては努力させるよりも、周囲が把握してうまくサポートしてあげることが大切です。
そして、逆に子どもの強みとなる部分はさらに伸ばしていきます。
将来、子どもがどこかでつまづいた時に、「これは得意だ!」と胸を張って自慢できる分野や特技があれば、子どもの自信へとつながります。
自分への強い自信があれば、将来の学校生活や社会生活でつまづいた時にも、様々な問題を自分でうまく乗り越えていく力となります。
困った時に相談できる関係作りを
グレーゾーンの子どもたちは、適応行動の中でもコミュニケーションの領域につまづきが見られることが多いです。
これは小学校以降に明らかになることもあります。
友だちとの関係がうまくいかなかったり、何かにつまづいた時に、相談できる家族や専門家がいることが理想です。
特に、家族のなかではなんでも話せる関係作りが必要になります。
子どもの個性を理解し受け入れてあげることが大切です。
診断名のないお子さまへも必要なセラピーやトレーニングを提供しています。適応行動に関する検査にご興味があれば、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
- 発達障害グレーゾーンとは、発達障害の傾向はあるが診断名はつかない子どものこと
- グレーゾーンの子どもは周囲に気付かれにくいためサポートを受けにくい
- グレーゾーンの子どもは知能や発達は正常であることも多いが、それで安心するのではなくさらに適応行動についてチェックすると良い
- 周囲の大人に本人がいつでも相談できる関係作りが大切