小学校入学までに身につけたい勉強の基礎。1年生の国語・算数の授業対策と入学準備

2020年5月29日

入学準備のため、幼児期のうちに身につけておくと良い学習の土台について、言語聴覚士が紹介します。

小学生になって学校の授業が始まる時、どのような力が必要になるのでしょうか。

小学校入学までに必要な土台作り

小学校に入ると、国語や算数などの授業が始まります。

子どもの発達は幼児期には非常に個人差が大きいのですが、小学校に入ると授業が一斉に始まります。

この時、授業の内容にちゃんとついていって理解するためには、学習の基礎となる土台の発達が必要になります。

入学までに準備しておくと良い学習の土台作りについて、小学一年生の国語と算数を中心に紹介します。

小学1年生の国語の基礎

小学校国語の学習の基礎は、次の4つの力です。

  • 語い(語彙)の数
  • ことばの理解力
  • ことばの表現力
  • 文字の読み書き

小学校の国語は、もしことばの遅れがある場合そのまま影響を受けやすいです。

また、日本語の基礎となることばの力は、国語だけではなくその他の教科にとっても重要です。

それでは、詳しく解説していきます。

語い(語彙)の数

語いとは、知っていることばの数のことを言います。

日常生活で使うことばは自然と覚えていくのですが、あまり目にしなかったり、経験したことのないことばは、意外と知らなかったりします。

また、上手にお話できると思っていても、実は動詞や形容詞はあまり使わずに名詞でお話している子もいます。

子どもは、5歳で1,600語以上、なんと1〜2年生では3,000〜1,0000語のことばを使えるようになると言われています。

語いが少なく知らないことばが多いと、国語に限らずお友達との遊びでも理解できない部分が増えるため、幼児期から語いの数を増やしておくことが大切です。

小学校でつまづく原因は、ことばの理解や表現力などことばの発達の遅れにあるかも

ことばの理解力

  • 授業を聞いて理解する力
  • 文章を読んで理解する力
  • 助詞など文法の理解

単語の理解だけではなく、文章全体を聞いたり読んだりして理解する力が求められます。

例えば、日本語では助詞の「が」「を」「に」が違うだけでも、別の意味になってしまいますよね。

助詞・助動詞の使い方、受動態・能動態(れる・られる)の使い方など、単語だけではなく日本語のルールの知識を深めることが必要です。

【幼児〜小学生】助詞はいつから?「てにをは」を間違える時の練習と教え方

ことばの表現力

国語では、自分のことばで論理的に表現したり、説明する力が求められます。

聞いたり読んだりして理解することができても、自分で表現することは意外と難しく、すぐにはできない子が多いです。

今日あったことを思い出してお話するなど、普段から人に説明する練習をしておくのがおすすめです。

文字の読み書き

ひらがな・カタカナの習得には、個人差がとても大きいです。

完璧に書けなくても焦る必要はないのですが、ひらがな・カタカナを読む練習はしておいた方が良いでしょう。

教科書や、黒板の文字などを読むことができると、授業も理解しやすくなります。

文字に興味がない子のひらがな・カタカナ学習方法。まずは基礎となる力を育もう

小学1年生の算数の基礎

小学校算数の学習の基礎は、次の5つの力です。

  • 数字の概念と数の単位
  • 数の大小、多い・少ないの理解
  • 算数の用語の理解
  • 時計の読み方

算数と聞いて想像しやすい数の概念や足し算引き算だけではなく、ことばの理解力も重要な要素です。

詳しく解説していきます。

数字の概念と数の単位

1〜10まで、もしくはそれ以上数を言える子でも、「数の概念」は理解していない場合がります。

子どもは、歌の歌詞のように記憶して「いちにさんよん…」と唱えるように言っていることが多いです。

数唱はできたり数字を見て言えても、「これ何個?」と聞くと数えられないのは、数の概念が理解できていないからです。

算数のためには、数字を言えるだけではなく、きちんと数えられる必要があります。

また、1匹2匹や、1個2個など、ものによって様々な数え方があることも知っておくと良いでしょう。

数の大小、多い・少ないの理解

足し算引き算はこれから学んでいくためまだできなくて良いのですが、数の大小や、多いと少ないの意味は分かっておくと授業が理解しやすいです。

箱を2つ用意して、右の箱のキャンディと左の箱のキャンディでどっちが多いか考えてみるとか、目で見て分かりやすい方法で練習してみるのが効果的です。

算数の用語の理解

算数で見落とされがちなのですが、算数の問題のことばの意味がわからずつまづくことがあります。

例えば、「足す」「引く」「合わせる」「全部でいくつ」「何個ありますか」「どっちが多い」など、算数にはよく出てくる用語・ことばがあります。

生活の中で使いながら、ある程度用語に親しんでおくと意味が理解しやすくなります。

時計の読み方

算数では、時計の読み方の問題が登場します。

「針がここまでくるまで遊ぼうね」など時計を見て遊ぶ時間を決めたり、時計に親しんでおきましょう。

何時何分、というように正確な時間はまだ読めなくても大丈夫です。

プログラミングの授業に向けて

2020年から小学校でのプログラミング授業必修科が始まりました。

幼児期から、プログラミング的な思考に親しんでおくのもおすすめです。

KIZUKIでは、幼児期からできるプログラミング遊びのレッスンや、ことば・数のレッスンを実施しております。

プログラミング遊びは幼児期の発達に効果的。自由な創造力や論理的思考力を育む

最も大切なのは「ことばのスキル」

国語と算数以外にも、その他の授業や学校生活でつまづきやすいのは、ことばのスキルです。

先生の話を聞くにも、教科書を読むのも、お友達と話すのも、すべてことばが必要になります。

ことばの発達がゆっくりだったお子さんは、小学校に入るとことばの理解力や表現力の面でつまづきやすく、本来の力を出せなかったりします。

もしことばの発達が遅れている場合は、語いを増やしたり、助詞などことばの使い方を練習したり、苦手な部分を底上げしてあげることも大切です。

言語聴覚士によることばのレッスンの内容を紹介。発語・発音・文法・文字の指導のまとめ

とても苦手な科目がある子は学習障害の可能性も

学習障害(LD)とは、読み書きや計算など特定の能力をうまく使えない状態のことを言います。

読字障害、算数障害などがあり、気づかれにくいけれど支援の必要な状態です。

  • 聞く
  • 話す
  • 読む
  • 書く
  • 計算する
  • 推論する

学習障害のある子は、知的な遅れはないのに、上記のうち1つ以上の能力を上手に使えません。

例えば、文字を読むのに時間がかかりすぎたり、足し算引き算がどうしても理解できなかったりします。

学習障害のある子には、より理解しやすい方法に工夫する必要があるので、周囲の配慮が必要です。

学習障害のタイプと特徴とは?文字の読み書き、計算などが苦手な子のサポート

まとめ・終わりに

今回は、小学校入学に向けて、一年生の国語や算数の基礎となる力について解説しました。

特にことばの表現力と理解力は、国語だけではなく、全ての授業や友達関係で必要となる力です。

お子さまのことばの発達について心配になったら、まずは言語聴覚士に相談しましょう。

現在のことばの状態についてチェックして、学校でも本来の力が出せるように準備をしておきましょう。

KIZUKIは言語聴覚士によることばや学習支援の教室です

KIZUKIでは、言語聴覚士によることばのレッスン、国語・算数の学習支援、幼児期からできるプログラミングのレッスンを実施しています。

入学前のお子さんにも、入学後のお子さんにも、一人ひとりに合わせたプログラムを作成し、効果的なレッスンを行うことができます。

お子さまのことばの発達や、学習面について気になることがありましたら、どうぞお気軽にお問い合わせくださいね。