子どもが「か行」を言えない時の原因。カ行がタ行になる時は4歳ごろから練習が必要かも

2020年1月18日

今回の記事では、子どもがか行を言えなかったり、「か行」が「た行」「あ行」など別の音になる原因について紹介します。

か行が言えるようになるのは何歳ぐらい?

発音のための口や舌の構えのことを構音と言います。

か行の音は、舌の奥の方(奥舌)を挙上させることによって構音しています。

構音の発達には個人差がありますが、かきくけこの発音が可能になるのは3歳〜4歳ぐらいのことが多いです。

発音の発達については以前詳しく解説しましたので、ご参照くださいね。

子どもの発音が聞き取りにくい時には練習が必要?発音・滑舌改善訓練を始める時期について

か行が言えない原因を紹介

発音(構音)の発達には個人差がありますが、「か行」は3歳ごろまでに言えるようになることが多いです。

それでは、4歳を過ぎても、かきくけこの音が正しく言えない時には、どのような原因が考えられるのでしょうか。

か行の誤り方別の原因について紹介していきます。

  1. か行がた行になる
  2. か行があ行になる
  3. か行の音が歪んで聞こえる

か行がた行になる場合

「か行」を上手に発音できない子どもは、か行を言いやすい他の音に言い換えて発音しています。

か行が言えず、他の音に言い換えるケースで最も多いのが、「か行」を「た行」に言い換えて発音している場合です。

例えば、「かきくけこ」がついた単語が以下のようになります。

  • 「たいこ」→「たいと」
  • 「かめ」→「ため」
  • 「とけい」→「とてい」
  • 「ケーキ」→「てーち」

か行は舌の奥の方を持ち上げて発音する音なのですが、舌の先の方に力が入ってしまうと「た行」になります。

子供によくみられる間違いですので、成長に伴って自然に治ることが多いです。

しかし、なかには4歳を過ぎても発音のくせが残ってしまって正しく発音できない子もいます。

自然に治らない場合を機能性構音障害と言って、構音訓練(言語聴覚士による発音の指導)が必要になる場合があります。

子どもの滑舌が気になったら。発音チェックと発音練習(構音検査と構音訓練)について

か行があ行になる場合

か行が言えないケースの2つ目に、か行の子音[k]の音が省略されて、母音に聞こえる場合があります。

  • 「たいこ」→「たいお」
  • 「かめ」→「あめ」
  • 「とけい」→「とえい」

このようにか行が母音に聞こえる場合、次の2つの可能性があります。

  1. 「か行」が言いにくいため、単に子音を省略して言っている。
  2. 「か行」が言いにくいため、喉の奥で発音するくせがついている。

1つ目の場合は、先ほど紹介した「か行」が「た行」になるのと同様に、言いやすい音に言い換えて言っている状態です。

1の場合の子音の省略は、比較的治りやすいです。

2つ目の場合は、か行を発音するとき、喉の奥(咽頭・声門)で発音するくせがついてしまっている状態です。

咽頭破裂音や、声門破裂音と言います。

特徴として、1つめの場合よりも、力の入った声に聞こえます。

自然には治りにくいため練習が必要な状態かもしれません。

耳が慣れていないと判別が難しいため、心配になったら言語聴覚士に相談しましょう。

「か行」の発音が歪んで聞こえる場合

「か行」の発音はできるけれど、「き」や「け」の発音が”歪んで”しまう場合について紹介します。

「き」「け」が歪んで聞こえる場合、声を出すときの息が正面ではなく左右にずれているため生じる、側音化構音の可能性があります。

自然には治りにくく、見逃されやすいため、大人の方でも側音化構音が残っている方もいらっしゃいます。

少し根気はいりますが、ほとんどの場合は発音の練習で治りますので安心してくださいね。

側音化構音とは?「き」「し」「ち」が言えない原因と、発音を治す練習方法(構音訓練)

「か行」の言えない子向けの練習方法を言語聴覚士が解説!

か行が言えない時には、発音の練習をした方が良いのでしょうか?

か行は3歳ごろまでに言えるようになる音ですので、4歳をすぎても上手に発音できない場合、練習が必要かもしれません。

少し治りにくい発音の仕方のくせがついている場合があり、その場合はもう少し早め(2歳後半ごろ)から発音の矯正を行うこともあります。

「か行」の練習方法の例

か行は、舌の奥の方(奥舌)を上に挙げて発音する音です。

  • 舌の奥の方ではなく、舌の先に力が入ってしまうと、「た行」になってしまいます
  • 舌の奥の方をうまく持ち上げることができないと、「あ行」になってしまいます

か行の練習には、舌の奥の方を持ち上げる方法が効果的です。

「か」を言うための練習方法を紹介します。

  1. 口を開けて「あー」と言う
  2. 「あ」の口のまま、口を閉じずに「んー」と言う
  3. 「んー」に続けるように、「んーあー」と言う

口を開けたまま(「あ」の口のまま)「んー」と言うと、舌の奥の方のみが持ち上がった状態を作ることができます。

そのまま続けて「んーあー」と言うと、「か」「が」の発音をする時の口の中の動きを行うことができます。

口を開けたまま「んーあー」をいう練習を繰り返して行うことで、奥舌を挙げる「か」「が」の発音を導くことができます。

まずは1文字で「か」もしくは「が」を言う練習をして、そのあと単語でも言えるように練習していきます。

今回紹介したのは、「か行」の練習方法の1つです。

この方法で効果が出ない時には、別の練習方法を試すこともあります。

※正しい練習方法で行わないと効果がありませんし、正しくない発音のくせがついてしまう場合があります。無理にご家庭で行わずに、まずは言語聴覚士に相談するのがおすすめです。

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まとめ・終わりに

今回は、「か行」が言えないときに考えられる原因について紹介しました。

か行が言えないといっても、いろいろな状態があります。

自然に治る場合も、早めの構音訓練(発音の練習)が必要な状態もあります。

すぐに発音の指導が必要かどうかは、専門家による判断が必要です。

お子さんの発音について気になったら、まずは言語聴覚士に相談しましょう。

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子どもは周囲の大人の声を聞きながら、試行錯誤し、徐々に正しい発音ができるようになっていきます。

しかし、なかには間違った発音がくせとして残ってしまうこともあり、発音の仕方の矯正が必要になることもあります。

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お子さまの発音や滑舌が気になったら、どうぞお気軽にご相談くださいね。