ことばのレッスンの流れ。まずは言葉や発音を詳しくチェックしてオーダーメイドの指導を
みなさんこんにちは。言語聴覚士のMaiです。
KIZUKIでは、個性豊かな子どもたち一人ひとりに合わせた、個別のことばの指導を行っています。
今回は、ことばのレッスンのために行っている検査の紹介と、目標の立て方、レッスンの流れについて紹介致します!
ことばの遅れと言っても様々
ことばの遅れについてよく相談を受けますが、一言で「ことばがゆっくり」と言っても、次のような様々な状態があります。
- 発語自体がまったくない
- ことばが増えない
- ことばの使い方が間違っている気がする
- ことばに対する反応が少ない
- 2語文など文章にならない
- 助詞など文法をうまく使えない
- ことばは増えてきたけれどうまくやりとりできない
- ことばで論理的に説明するのがにがて
- 発音や滑舌が気になる
子どものことばの発達には段階があります。
例えば、2歳の子どもが助詞をうまく使えなかったり、正しく発音できなかったりしても普通のことです。
子どもにとって簡単すぎる課題や難しすぎる課題を行っても、良い効果は出ません。
まずは現在のことばの発達を正しくチェックすることが大切です!
KIZUKIで実施していることばの検査の紹介
ことばのレッスンを始める前に、まずはことばやコミュニケーションの発達チェックを行っています。
取り入れている検査をいくつか紹介します。
発達質問紙
ことばは、全体的な発達を土台として話せるようになります。
ご希望の方には、ことばを含めた全体的な発達をチェックできるアンケート式の検査を実施しています。
0歳〜7歳まで実施することができます。
DESC
子どものことばの発達には、社会的認知能力の発達が必要です。
社会的認知能力とは、周囲の人とのやりとりや、周囲の状況から情報を受け取る力のことを言います。
社会的認知発達チェックリストDESCでは、0歳6ヶ月〜3歳5ヶ月までの子どもの社会性の発達について調べることができます。
DESCは、保護者の方に対して質問し、お子さまの普段の様子を答えてもらう方法で実施します。
10分ほどで実施できるので、初回相談で使用することもあります。
LCスケール
LCスケール(言語・コミュニケーション発達スケール)は、0〜6歳児の言語発達について調べる検査です。
物品や図版などを用いた課題で、次の3領域について評価します。
- 言語表出(話すこと)
- 言語理解(聞くこと)
- コミュニケーション(やりとりすること)
また、LCスケールを実施すると、子どものことばの発達段階の目安が分かります。
ことばの発達段階
- ことば芽生え期:意味のある発語はまだないが、コミュニケーションの基礎が築かれる時期
- 一語文期;音と意味が結びつき、意味のある発語が増え、語連鎖の形成に向かう時期
- 語連鎖移行期:二語連鎖(二語文)でお話できて、ことばを使った表現や理解の広がる時期
- 語操作期:ことばを使って説明したり、論理的に思考・表現することが可能になる時期
- 発展期:抽象的なことばの理解や、助詞など文法の理解が進み、複雑な表現が可能が可能になる時期
ことばの発達段階に合わせて、必要なプログラムを作成していきます。
LCSA
LCSA(学齢版 言語・コミュニケーション発達スケール)は、小学生以上の子どもの言語能力について調べる検査です。
小学校に入ると、あらゆる場面で言語スキルが求められるようになります。
言語スキルは、学習や、友達関係、学校生活にも影響するため、とても重要です。
LCSAでは、次のような能力について詳しく評価することができます。
- 文や文章の聴覚的理解(口頭指示の理解や説明文の理解など)
- 語彙や定型句の知識(どのぐらいことばを知っているか)
- 発話表現(状況に合わせてことばを使えるか、丁寧語など適切なことばを使えるか)
- 柔軟性(関連することばを想起して言えるかなど)
- リテラシー(音読や文章の読解)
PVT-R
PVT-R(絵画語い発達検査)は、ことばの発達の中でも特に重要な、語いの理解力について調べる検査です。
語い(語彙)とは、知っていることばの数のことを言います。
名詞だけではなく、動詞や形容詞、抽象的なことばも含みます。
子どもの語いが少ないと、そのままことばの理解力にも影響するため、語いについてチェックすることは大切です。
PVT-Rでは、聞いたことばにふさわしい絵を、4つの絵の中から指差しで選択するという方法で実施します。
3歳以上の子どもに実施することができます。
構音検査(発音のチェック)
構音とは、発声のための口の形や構えのことを言います。
発音や滑舌について気になる場合、構音検査をすると、子どもの構音の特徴について調べることができます。
発音の誤りは自然に治る場合も多いのですが、中には治りにくいくせがついていて、構音訓練の必要な場合もあります。
まずは、構音検査を実施して、すぐに構音訓練が必要かどうか判断することが大切です。
構音検査では、次のような内容を実施します。
- 単語検査
- 音節復唱検査
- 文章検査
- 構音類似運動の検査
- 呼気鼻漏出の検査
詳しくは構音検査について紹介したページをご覧ください。
その他
その他に次のような検査を組み合わせて実施することもあります。
- 質問-応答能力の検査
- 感覚統合に関する検査
- 自閉症スペクトラムに関する検査
- 学習障害の検査
どれも、ことばの発達に関係しています。
検査からことばのレッスンへ
紹介したすべての検査を行うわけではなく、必要な検査を選び組み合わせて実施します。
複数の検査結果をまとめて、その子のプロフィールを作成します。
プロフィールを作成すると、その子の得意な部分と苦手な部分、つまづいているポイントが浮かび上がってきます。
プロフィールに沿って、つまづいている部分をうまくサポートし、長所はさらに伸ばしていくための目標を立てます。
ことばのレッスンまでの具体的な流れ
- お申し込みフォームよりご連絡ください。
- 初回体験時に、お子さまの様子を見ながらお悩みの内容について詳しく伺います。
- 今後のレッスンの流れと内容についてご提案します。
- レッスン1回目では、ことばの様子をチェックするための検査を実施します。
- 検査結果から、レッスンの計画や目標を立てます。
- 月2〜4回程度の定期的なレッスンを開始します。発音レッスンの場合、オンラインレッスンを組み合わせることもできます。
レッスン後には、レッスン内容の詳しい振り返りや気づいた点、次回の内容を毎回メールにてお送りしています。
具体的なことばのレッスンの内容については以前紹介しましたのでよろしければご覧くださいね。
まとめ・終わりに
今回は、言語聴覚士によることばのレッスンのための検査と目標の立て方、レッスンの流れについて紹介しました。
ことばの遅れのある子の場合、まずは言語検査を行ってどこでつまづいているのかチェックします。
そして、一人ひとりの子どもの言語指導プログラムを作成して、それぞれに合わせた効果的な指導を行っていきます。
初回体験・個別相談会のお知らせ
初回体験・相談会も随時行っていますので、ぜひご利用ください。
ことばの発達についてのご相談に言語聴覚士がお答えします。