子どもが「つ」を言えない、「ちゅ」になる時の発音の仕方。4歳〜5歳から練習が必要かも

2020年8月18日

子どもが「つ」の発音をうまくできない時の原因と、「つ」が「ちゅ」になる場合の練習方法について、言語聴覚士が紹介します!

「つくえ」を「ちゅくえ」、「つみき」を「ちゅみき」と言うような発音の仕方は幼児期によく生じますが、年齢によっては練習が必要な場合があります。

「つ」の発音について

日本語の「た行」の中で「つ」の発音(構音)は少し特殊です。

「た行」の「た」「て」「と」は舌の先と前歯の裏の歯茎で閉鎖し破裂させるように発音する破裂音ですが、「つ」は閉鎖した後に摩擦を伴わせて発音する破擦音です。

破擦音は破裂音よりも発音の仕方がやや複雑な音ですので、「つ」は他のた行の音よりも発音が難しい音であると言えます。

「つ」が言えるようになる時期

子どもは初めから「つ」の発音ができるわけではありません。

初めは「つ」が言いにくいので、例えば「つみき」を「ちゅみき」と言うように「つ」を「ちゅ」に言い換えて言ったりしています。

子どもはいつ頃から「つ」の音を上手に言えるようになるのでしょうか?

発音(構音)の発達には個人差がありますが、早いお子さんで3歳ぐらい、お子さんによっては4歳以降に言えるようになることもあります。

「つ」の練習はいつから必要?

それでは、何歳ごろから「つ」の練習を始めれば良いのでしょうか?

2〜3歳のお子さんで「つ」が言えなくても、発達に伴って自然に言えるようになることも多いです。

4歳を過ぎても自然に「つ」が言えるようにならない場合は、発音の練習をした方が良いかもしれません。

また、このあと紹介しますが、もし自然に治りにくい舌の動かし方のくせがある場合は、早めに練習を開始する場合もあります。

発音の問題のほとんどは、言語聴覚士による発音のレッスンで改善できますので、心配し過ぎないでくださいね。

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「つ」が言いにくい時の原因

4歳を過ぎても「つ」が言いにくいときに考えられる原因について紹介します。

  1. 「赤ちゃんことば」が定着してしまった場合
  2. 自然には治りにくい発音のくせがある場合

赤ちゃんことばが定着してしまった場合

1は、お子さんに比較的よくある状態です。

今まで「つ」が言いにくいため「つ」を「ちゅ」に言い換えて言ったりしていて、それがお話する時の「くせ」として定着し、治りにくくなってしまったりします。

4〜5歳を過ぎても自然に治らない場合、発音の練習が必要かもしれません。

自然に治らず間違った発音が定着していて、練習が必要な状態のことを、機能性構音障害と言ったりします。

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自然には治りにくい発音のくせがある場合

言いにくい音を発音しようとして舌に余計な力が入ったり、本来とは違う発音の仕方をしている状態です。

例えば、「つ」を言うときに、舌の先ではなく喉の奥の方でささやくように発音する咽頭摩擦音や、舌の中央部を持ち上げて発音する口蓋化構音などがあります。

これらは自然には治りにくく、他の音の構音にも影響するため、早期から(3歳頃から)の発音の矯正をお勧めしています。少し根気は入りますが、発音の練習で改善できます。

これらの判別は慣れている専門家でないと難しいため、まずは言語聴覚士に相談してみてくださいね。

「つ」の練習方法

「つ」が言いにくい原因は、先ほど紹介したようにお子さんによってそれぞれ異なり、練習方法も異なります。

症状に適していない練習方法を行うと、余計な発音のくせがついてしまう場合もありますので、言語聴覚士などの専門家のアドバイスのもと練習するのがお勧めです。

ここでは、「つ」が「ちゅ」になっている場合の一般的な練習方法について紹介します。

  1. 舌の先を上の歯の裏あたりにつける
  2. 英語のTの発音のように、[t(トゥ)]と発音する
  3. 2の発音の際に、舌先を軽く歯の裏につけたまま英語のSの音を出す[s(スー)]
  4. 音が弱い場合、「うー」と続けて言うようにすると「つ」の音になる

もし、まだ「す」などさ行も言えない場合は、「す」の練習を先に行いましょう。

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言語聴覚士による発音レッスンについて

お子さんの発音や滑舌について気になったら、言語聴覚士による発音のレッスン(構音訓練)がおすすめです。

発音のレッスンでは、まずは現在言えている音と言えていない音を把握して、言えない音について原因を分析します。

そして、お子さんの発音の状態に合わせた練習を行うことができます。

週1回程度の言語聴覚士によるレッスンに加えて、ご家庭でも毎日5分程度練習していただくと、改善が早くなります。

まとめ・終わりに

今回は、「つ」が「ちゅ」になるなど、「つ」が言えない時の原因と練習方法について紹介しました。

お子さんが「つくえ」を「ちゅくえ」と言ったりするのは可愛く聞こえますが、4歳を過ぎても正しく言えない場合、発音の練習が必要かもしれません。

KIZUKIは言語聴覚士による個別の発音/ことばの教室です

KIZUKIでは、国家資格・言語聴覚士による、個別の発音レッスンを行っています。

体験レッスンの際には、いきなり発音の練習をするわけではなく、まずは検査をしてお子さんの発音の状態についてチェックします。

そして、発音の練習が今すぐ必要かどうかも含めて慎重に判断し、今後のレッスンについてご提案致します。

お子さんの発音について気になったら、まずはお気軽にご相談くださいね。

週1回程度の来所が難しい方には、オンラインレッスンも行なっておりますので、お気軽にご相談くださいね。