カリンバのレッスンは、ことばの遅れ・吃音・場面緘黙のある子にも効果的
発達障害や、ことばの遅れ、吃音、場面緘黙などがあり、コミュニケーションの苦手さのある子には、音楽を使ったセラピーが効果的です。
今回は、カリンバ(楽器)を用いたセラピーが子どもの発達に与える良い影響について、言語聴覚士の視点から紹介していきます。
カリンバセラピーは楽器の指導ではありません
音楽を用いた教育や治療方法として、音楽療法やリトミックなども有名ですね。
カリンバ(楽器)や音楽を使ったセラピーでは、子どものありのままを受けとめながら、子どもの自己表現力や人との関わりの変化を促すことをねらいとしています。
音楽の授業では、楽譜通りに上手に楽器を奏でるように指導するのに対して、
カリンバセラピーでは、指導するのではなく子どもが自発的に楽器や音楽でコミュニケーションしたり音楽を楽しむことができることを目指します。
カリンバ(楽器)については以前紹介しておりますのでよろしければご覧ください。
カリンバセラピーとコミュニケーション
音楽を通して人とのやりとりの経験を積む
次のような原因があると、スムーズなやりとりやコミュニケーションができないことがあります。
- ことばの遅れ
- 自閉症スペクトラムなど発達障害や社会性の障害
- 吃音
- 場面緘黙(かんもく)
ことばの遅れがあったり発達に凸凹のある子は、発語のみにアプローチしても、すぐに発語にはつながらないことがあります。
ことばの発達は、人や物への興味や社会性の発達の土台の上に築かれるからです。
また、吃音や場面緘黙のある子の場合、お話の仕方ばかりに注目したり、指導しようとすると、発話へのプレッシャーとなってしまい症状が悪化することがあります。
いずれの場合も、発語ばかりにこだわらず、音楽などあらゆるコミュニケーション方法を用いて楽しくやりとりする経験を積むことが大切です。
手指の運動能力やコントロール能力の発達
身体のコントロールや、手先の動きのコントロール、手指の運動能力の発達は、全体的な発達にも関連しています。
ピアノは両手の指をバラバラに動かす必要がありますが、カリンバは親指ピアノとも呼ばれていて親指のみで音を奏でることができます。
指で弾くことにより金属の棒が振動して、聴覚だけではなく皮膚を通して音を感じることができます。
カリンバを使って様々な音を出しながら、手指の力の入れ具合をうまくコントロールできるようにしていきます。
相互的なやりとりの中で社会性とことばは育まれる
カリンバの奏でるオルゴールのような音を通して、人と感覚を共有することができます。
ことばを使わなくても、同じ部屋で楽器を鳴らしあうだけで、他者とやりとりする経験になります。
楽器を使った相互的なやりとりの中で、社会性は育まれ、ことばの発達にもつながっていきます。
吃音や場面緘黙のある子にとっても、ことばに限らない方法で自己表現し受け入れられるという感覚が、自己肯定感へとつながります。
まとめ・終わりに
現在、カリンバレッスンの新規お申し込みは受け付けておりません。