場面緘黙(かんもく)とは?家では話せるのに幼稚園やお外でおしゃべりできない状態

2020年1月1日

家では普通に話せるのに、幼稚園や小学校などでは声が出なかったりおしゃべりできなくなることを、場面緘黙(かんもく)と言います。

今回は場面緘黙症についてと、サポートの仕方について紹介していきます。

場面緘黙とは?単なる恥ずかしがり屋さんとの違い

場面緘黙とは、家ではたくさんお話できるけど、家の外や、幼稚園や小学校など特定の場所ではお話できない状態のことです。選択性緘黙とも言います。

程度は人それぞれで、外に出ると声がまったく出なくなるという子もいます。

恥ずかしがり屋さんや内気・人見知りな性格で、少し引っ込み思案になってしまったり、お外では家の中ほど話せない子もいますよね。

内気な性格のために話せなくなる状態とは異なり、場面緘黙の子の場合は、場面によって話せなくて困る状態が長期間(1ヶ月以上)続きます。

わざと話さないわけではなく、話したくても話せない状態です。

幼稚園や小学校などで発言できないと、本来の力が出せなくなってしまいます。

場面緘黙のある子どもは、早期に発見して適切なサポートを行ってあげることが必要です。

※発達障害やことばの遅れがあり話せない場合は、場面緘黙とは言いません。しかし、ASDや吃音と場面緘黙は合併することもあります。

場面緘黙の原因とは?入園時や入学時に発症しやすい

親のしつけや育て方の問題ではありません

場面緘黙のはっきりとした原因はまだ分かっていません。

親の育て方や家での接し方が原因ではなく、生まれつきの気質が関係していると言われています。

生まれつき人より敏感だったり繊細であると、不安になりやすくなることがあります。

この、生まれつき不安になりやすい繊細な気質に、いろいろな要因が影響して場面緘黙になるのでは、と考えられています。

環境の変化で発症することが多い

場面緘黙の人は成人にもいますが、よくお話を伺うと幼児期に発症している場合が多いです。

また、入園、入学、転校など環境の変化に伴って発症してしまう場合もあります。

幼稚園や学校でうまくお話できなくても、集団の中での問題行動は少なく、先生から見て物静かな”良い子”が多かったりします。

そのため、お話が少ないのも性格によるものだと思われたり、そのうち治ると見逃されてしまう場合もあります。

場面緘黙への周囲の理解がないと、緊張する場面に晒された時にもサポートを受けられず、ますます症状が強まってしまうこともあります。

場面緘黙のある子のサポートと良い接し方

家庭と学校と専門家の連携した環境調整が必要

場面緘黙は、病院に行って治療すれば治るものではありません。

無理やり話させようとすることも逆効果です。

まずは場面緘黙について周囲が正しく理解して、リラックスできる環境調整を行うことが大切です。

特に学校では、授業中や係活動など、発言を求められる機会が多くあります。

そういった時に学校の先生の理解が少ないと、発言を強要してしまったり、ますます症状を悪化させてしまう場合があります。

担任の先生に資料を渡して説明し、症状について理解してもらうことも必要になります。

さりげなく周囲がサポートして、発言を無理強いしない環境を作ってあげることが大切です。

安心できる環境を増やしスモールステップで克服する

場面緘黙とは、場面や状況によりおしゃべりできなくなる状態です。

スモールステップで少しずつできることを増やしていきましょう。

まずは、どの環境なら安心しておしゃべりできるのか、どの場面や状況では症状が出るのか、本人と一緒に考えます。

そして、不安にならない場面からスタートして、少しずつ様々な経験を積み、安心できる環境や活動を少しずつ増やしていきます。

※場面緘黙のある子どもは自分の症状について指摘されるのを嫌がったり、話題にしてほしくない場合もあります。上記の流れに拘らずその子に合わせた方法で支援をすることが必要です。

KIZUKIでは、言語聴覚士による場面緘黙のある子のサポートに加えて、個別でのキッズヨガやプログラミングレッスンを行なっています。

その子にとって安心できる環境を増やし、楽しい活動を増やすお手伝いをしたいと思っています。

KIZUKIプログラミング遊びの教材紹介「ボットリー」(幼児から小学生低学年向け)

まとめ・終わりに

今回の記事では、場面緘黙について紹介しました。

場面緘黙のある子は、わざと話さないわけではなく、お話ししたくても場面によってお話しできなくなってしまう状態です。

「ほら、挨拶して!」とか「あーって言って!」とか、無理やり話させようとしたりすることは逆効果です。

話す・話さないばかりに注目せず、いろいろな場面でうまくいった!という経験を積むこと、そして特技をみつけたり自信をつけることが、場面緘黙のある子どもにとって大切です。

また、場面緘黙だと思っていたら、その他の発達障害やことばの遅れ、吃音などの状態がある場合もあるので、言語聴覚士などの専門家に相談するようにしてくださいね。

KIZUKIは言語聴覚士による言葉の教室です。

KIZUKIでは、言語聴覚士による言葉のレッスンや、場面緘黙のある子の支援を行っています。

プログラミング遊びやキッズヨガなどの活動を通して、その子の自信をつけながら、無理なく場面緘黙のある子のサポートをしていきます。

体験会も行っていますので、ぜひ一度遊びに来てくださいね。