幼稚園や集団でうまく遊べない子の理由。グループ遊びのサポート方法

2020年5月16日

子どもがお友達同士や、集団でうまく遊べないのはなぜでしょうか?

今回は、集団行動やグループでの遊びが難しい時の理由と、周囲の良い接し方を例を挙げて紹介します。

集団行動が難しい理由

お子さんに次のような様子はありませんか?

  • お友達がいても一人で遊んでいる
  • 集団での遊びや活動がにがて
  • お友達の輪に入るまでに時間がかかる
  • 授業中じっとしていられない
  • 遊びのルールを守ることができない
  • 先生の指示に従えない
  • 幼稚園や学校に行くのを嫌がる

お友達とうまく遊べないと孤立してしまわないか心配になりますよね。

このような様子があるときに考えられる原因を紹介していきます。

1.ことばの発達がゆっくりな場合

発語やことばの発達がゆっくりな子は、幼稚園や小学校に入るとき次のようなポイントに気を付ける必要があります。

  1. 先生の指示や授業の内容、お友達のことばを聞いて理解できているか
  2. 自分の気持ちや意見をことばで伝えられるか

ことばの理解に遅れがあると、先生の指示を聞いて理解することが難しい場合があります。

先生の指示がよく理解できないと、指示された活動を行うことができなかったり、集中して遊びに参加できなかったりします。

また、自分の気持ちや意見をうまくことばで伝えることが難しいと、思ったことを言えずにストレスを溜めてしまうことが多いです。

周囲が分かりやすい方法で伝えたり、気持ちを代弁してあげることも大切です。

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2.ルールや状況の理解が難しい場合

ルールのある遊びや、決まった活動を行う年齢になると、状況に応じた行動をすることが求められます。

例えば、「かくれんぼ」で遊ぶには、基本的なかくれんぼのルールの理解が必要です。

ジャンケンで鬼を決めるとか、隠れたら声を出さないでじっとするとか、その時の状況に合わせて行動しなくてはいけません。

その他にも遊具は順番に遊ぶとか、幼稚園や学校で先生の話を最後まで聞くとか、決められた時間は椅子に座って活動するとか、様々なルールがあります。

みなさん、例えばルールのわからないボードゲームにいきなり参加させられたら、大人でもどうすれば良いか分からないし困りますよね。

分かりやすく親切に説明していくれる人がいれば良いのですが、そういう人がいなかったら遊び方も分からないし、楽しくありません。

社会の決まりごとや遊びのルールは、はじめは分からなくても、経験を積む中で徐々に理解していく場合が多いです。

しかし、特に自閉症スペクトラムなど発達障害のあるお子さんの場合、自然にはルールや状況の理解が難しいことがあります。

写真やイラストを用いるなど、その子にあった分かりやすい方法で伝えてあげる必要があります。

3.特定の活動が苦手でやりたくない場合

例えば、体を動かす遊びに苦手意識を持っている子に、普通の体操教室に通わせたとしても、きっと初めはいやがるでしょう。

では、その体操教室にとても良い教え方をする先生がいて、子どもに無理のない方法や難易度で体を動かす楽しさを伝えてくれたらどうでしょうか。

その子は体操教室に行くのが楽しみになって、運動も得意になるかもしれません。

工作など手先を使った活動や、体を動かす遊びに苦手意識を持っている子は意外と多いです。

子どもにとって楽しくないことや、難しいレベルのことを無理やりさせようとしても、苦手意識が強まるだけですので逆効果です。

大切なのは、難しすぎないレベル設定で「できた!」を増やすこと。

まずはその子の興味のあることから参加を促し、自信を高めていきましょう。

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4.気が散りやすく集中して取り組めない場合

気が散りやすい子どもの場合、お友達と一緒に遊ぶのではなく、興味がうつりゆくままに一人で動き回って遊んでいることがあります。

お子さんの集中力には個人差が大きいです。

興味のあることならずっと続けて遊べる子もいますし、とても気が散りやすい子もいます。

気が散りやすい子・落ち着きのない子は、視界に気になるものが入ったらすぐ注意がそちらにいきますし、窓の外から音がしただけでもとても気になってしまいます。

みんなでの遊びや活動に集中できるような環境を作ってあげることが大切です。

例えば、目に付く場所にあるおもちゃを片付けるだけでも大きく変わります。

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5.慎重な性格で人・場所・活動に慣れるのに時間がかかる場合

慎重な性格のお子さんは、よく考えてから行動します。

初めて行う遊びや活動は子どもにとって想像できないため、不安になってしまいます。

あまり親しくないお友達の輪に入っていくのも不安ですし、慣れるまで時間がかかるのは当然のことです。

初めから全て参加させようとするのではなく、まずは見学したり、部分的に参加したりと、人や環境に慣れながら少しずつ参加を増やしていくようにしましょう。

また、1ヶ月以上経っても環境になれず、先生やお友達とお話ができない場合、場面かんもく(緘黙)という症状の場合もあります。

場面かんもくは単に性格の問題ではなく周囲のサポートが必要な状態です。

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まとめ・終わりに

今回は、幼稚園や学校などでの集団行動や遊びが難しい時の理由と、サポート方法を紹介しました。

みんなでうまく遊べない子どもは、わがままなのではなく、何か理由があります。

お子さん自身も、その環境に馴染めないことや、お友達の輪に加われないことへの不安を感じている場合もあります。

無理やり参加させるのではなく、まずはお子さんの気持ちを受け止め、できるだけ不安を取り除いてあげましょう。

周囲がサポートしながら、コミュニケーションの経験を積んでいくことが大切です。

KIZUKIでは集団生活に備えた個別のレッスンを行うことができます。

KIZUKIは、国家資格・言語聴覚士による個別のことば・コミュニケーションのレッスンを行っている教室です。

いきなり集団に参加させるよりも、まずは個別でその子に合わせたレッスンを行い、ことばやコミュニケーションのスキルを身につけ、自信をつけていくことも大切です。