幼児語一覧と発語への影響。赤ちゃん言葉はいつまで?使わない方がいい種類も
子どもの話す幼児語や赤ちゃんことばって可愛いですよね。
教育方針によっては、幼児語は使わない方が良いという話もありますが、上手に使うと発語を促す良い効果があります。
子どもの幼児語の種類と一覧、発語への影響について言語聴覚士が解説します。
幼児語(赤ちゃん言葉)とは?
幼児語(赤ちゃん言葉)とは、赤ちゃん〜幼児の間に子どもが使ったり、大人が語りかける時に使うことばです。
まずは、幼児語の種類を紹介します。
幼児語をタイプごとに分類すると次の4つがあります。
- オノマトペ(擬声語)
- 音の繰り返し
- 音の言い間違い
- ことばの言い間違い
詳しく紹介していきます。
オノマトペ(擬声語)
オノマトペ(擬声語)とは、動物の鳴き声や、感情、事物を、音として表すことばです。
- わんわん:犬
- ニャーニャー:猫
- ブーブー:車、ぶた
- ポッポ:鳩
- トントン:ドアを叩く
- ポイ:捨てる
- シー・チッチ:おしっこ
- ごっくん:飲み込む など
音の繰り返し
音を繰り返していうことばも、幼児語に多くみられます。
- ないない
- だいじだいじ
- きれいきれい
- ねんね
- ちゃちゃ:お茶
- おめめ など
音の言い間違い
発音しにくい音を、言いやすいことばに言い換えたりします(さ行をしゃ行やた行に言い換えるなど)。
- さかな→しゃかな
- くつ→くちゅ、くっく
ことばの言い間違い
幼児期はことばが発達途上ですので、ことばの言い誤りも多くみられます。
- エレベーター→えべれーたー
- 牛乳→にゅうぎゅう
- お薬→おすくり
- あったかい→あっかたい など
良い幼児語を使うと発語しやすくなる!
幼児語・赤ちゃんことばは正しい日本語ではないため、使わない方が良いという考え方もあります。
確かに、「くつ」→「くちゅ」や「さかな」→「しゃかな」などの音の言い間違いは、大人は使うべきではありません。
しかし、幼児語の中でも「オノマトペ」「繰り返し」の言葉は、使ったほうが発語しやすくなります!
発語を促すために幼児語が効果的な理由は、次の3つです。
- オノマトペは、動物の鳴き声や物音のことばなので、意味をイメージしやすい(例:にゃーにゃー)
- 繰り返しのことばは、聞き取りやすく、覚えやすい(例:ないない)
- マ行・バ行・バ行のことばは、発音しやすい(例:ブーブー、まんま)
このように、言い誤りではない良い幼児語を使うと、発語にも良い影響があります!
成長しても幼児語が残ると発音に影響
幼児語は、子どもにとって覚えやすく発音しやすいことばです。
しかし、幼児語・赤ちゃんことばの名残が成長しても残ってしまう場合があります。
例えば、通常子どもは5歳ごろにサ行の発音ができるようになるのですが、サ行がシャ行やタ行になる赤ちゃん言葉がくせとして残ってしまうと、サ行の正しい発音が自然に習得できなくなったりします。
幼児語は発語を促すために効果的な手段ですが、子どもが成長したら周囲の大人は幼児語を使い続けるべきではありません。
※正しい音が言えない原因が、必ず赤ちゃん言葉であるわけではありません。
幼児語を使う際のポイントと注意点
幼児語を使う時のポイントについて紹介します。
幼児語には様々な種類があります。重要なポイントを3点挙げます。
- 音の言い間違い、言葉の言い間違いの幼児語は使わない
- 大人は様々な言い方をしないで、統一した言い方で話しかける
- 幼児語を使い続けるのではなく、成長したら大人のことばに切り替える
大人は統一したことばで話そう
言い間違いの幼児語は使うべきではありませんが、オノマトペや繰り返しの幼児語は発語に良い効果があります。
この時、大人は統一した言い方で話しかけると、より発語を促しやすくなります。
- 例:「車」というか「ブーブー」というか統一する。
毎回、車といったり自動車と言ったり「ブーブー」と言ったりしていると、子どもは混乱してしまいことばを覚えにくくなります。
幼児語を使うなら、子どもに話しかける時は毎回「ブーブー」を使う方が理解しやすいです。
初めから「くるま」ということばを使っても良いのですが、特に「くるま」の「る」はまだ発音しにくい音ですので、正しく言えるようになるには時間がかかります。
幼児語はいつまで使うべき?
多くの場合は、子どもは自然にたくさんのことばを覚えて、大人が使うことばも学習していくため、心配しすぎる必要はありません。
しかし、大人が幼児語を使い続けると、日本語の正しい発音やことばを学習しにくくなったり、ことばを使ってより詳しく内容を伝えたりすることが難しくなります。
また、小学校に入る頃に赤ちゃんことばが残っていると、からかわれる原因になる場合があります。
それでは、幼児語は何歳ごろまで使っても良いのでしょうか?
発語の時期により個人差が大きいため、目安としては3歳頃までがおすすめです。
子どもがことばが増えてきたら、大人は正しいことばを使うようにして、4歳になるまでには自然に切り替えられるようにするのが良いでしょう。
まとめ・終わりに
今回は、幼児語の種類と例、幼児語を使うメリットと注意点について紹介しました。
幼児語は、うまく使うと子どもの発語を促しやすくなります。
心配しすぎたり、恥ずかしがったりせずに、幼児語はどんどん使って話しかけるのがおすすめです。
KIZUKIは言語聴覚士による言葉と発達支援の教室です
KIZUKIでは、発語やことばの発達を促す、個別のレッスンを実施しています。
一人ひとりのお子さまに合わせたプログラムを作成し、効果的なレッスンを行うことができます。
お子さまのことばについて気になることがありましたら、どうぞお気軽にお問い合わせくださいね。