1歳〜2歳におすすめの言葉の発達を促す遊びやおもちゃ。発語は教えるより引き出そう

2020年7月28日

子どもは、大人との遊びや関わりを通して発達し、ことばを覚えていきます。

今回は、1歳〜2歳ごろの子供におすすめの、発語を促す遊びや知育おもちゃについて、言語聴覚士が紹介します!

1歳〜2歳は、発達の個人差が非常に大きい時期

子どもは1歳を過ぎると、早い子ではおしゃべりができるようになったり、ひとり歩きができるようになったりと、様々なことができるようになっていきます。

しかし、子どもの発達には個人差がとても大きいです。

言語聴覚士という仕事をしていて、2歳ごろになっても発語がないというご相談を受けることは、これまでもとても多くありました。

まだ発語がないと、他の子と比べたり、本を読んだりして、心配になったり焦ってしまいますよね。

遠回りに思えますが、発語は教えるのではなく、遊びを通して自然に引き出していくのが効果的です。

赤ちゃんは、生まれてからずっと、頭のなかに様々な経験や、見たこと、聞いたことを蓄えています。

そして、人との関わりや遊びの中で、個性も育ち、その子のやり方やスピードで人とコミュニケーションできるようになっていきます。

おうちや公園でできる!おすすめの親子遊びの種類

発語を促す遊びというと、ことばを使う遊びを思い浮かべるかもしれません。

しかし発語やコミュニケーションの力は、全体的な体の発達を土台として発達していくものです。

発語のための土台となる遊びを4つに分けて紹介します。

  1. 体を使う遊び
  2. 手先を使う遊び
  3. 人と関わる遊び
  4. まねっこ遊び
  5. 声やことばを使う遊び

お子さんの発達に合わせて、難しすぎない難易度の遊びを楽しく行なってみてくださいね。

身体を使う遊び

1歳ごろは、まだ一人歩きも安定していない時期です。

考えてみたら、足の裏で体を支えて立ち、しかもバランスをとりながら足を交互に出して歩くって、とても難しいことですよね。

歩き始めの頃の遊びと、一人歩きが安定してからの遊びを紹介します。

動物のまねっこ遊び

子どもと一緒に四つんばいになって、動物になりきって遊んでみましょう。

  • 動物の動きをまねする
  • 動物の鳴き声をまねする
  • 子どもを背中に乗せて、四つんばいになって歩く(おうまさんごっこ)
  • いもむしのようにゴロゴロ転がる
  • はいはいで追いかけっこ
  • 動物の出てくる歌をうたう

楽しく身体を動かしながら、子どもの身体能力、動物への興味を育みます。

動物の鳴き声のまねっこや、動物の出てくる歌に合わせて声を出すことも、発語の土台となります。

動物になりきるキッズヨガの遊びもおすすめですので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

おうち時間にキッズヨガ♪子どもに人気の4つのポーズ!室内で身体を動かして一緒に遊ぼう

手をつないでお外へお散歩

ある程度安定してひとり歩きができるようになったら、手を繋いで外歩きにチャレンジしてみましょう。

公園に行ったり、近くのスーパーまでお買い物に行くまでの道のりも、ゆっくり歩いていくのもおすすめです。

子どもはいろいろなものに興味を持ちますし、様々な発見があるかもしれません。

  • 草むらや、でこぼこ道を歩く
  • 花や虫、動物に興味をもつ
  • 抱っこしてブランコに乗る
  • すべりだいで遊ぶ(大人が補助しながら)
  • 階段やすべり台を登る(2歳ごろから)

もし子どもが「あ!」と言って何かを指さしたら、「あ、わんわんだね」「ちょうちょだね」のように、声かけして反応してあげましょう。

指さしたものへの反応が返ってくることによって、子どもは自然と名前を覚えていきます。

ボール遊び

両手でボールを持って投げたり、転がしたりしてみましょう。

  • 両手でボールを投げる
  • ボールを転がす
  • かごや箱などの目標に投げ入れる
  • 大人に向かってボールを投げる
  • 投げられたボールをキャッチする(難易度高)

目標の方向にボールを投げたり、受け止めたりするボール遊びは、身体や手の動きをコントロールする力を育みます。

手先を使う遊び

指先の動きのコントロールや、目と手の機能を協調させる力を発達させる遊び・おもちゃを紹介します。

特に、目と手の協応動作は、目で見たものの情報を脳に届けて、どのように手先を動かせば良いか考えて指先をコントロールすることが必要なため、子どもに認知機能にも関係しています。

積み木やブロック

積み木を高く積んでから壊したり、大きめのブロックで遊んだりしてみましょう。

ブロックは、LEGOはまだパーツが小さく危ないので、LEGO デュプロのシリーズがおすすめです。

手先を使いながら、想像力も育むことができますし、後々にはごっこ遊びにも使用できます。

お絵かきや紙あそび

  • お絵かき
  • シール貼り
  • スタンプ

紙にぐるぐる描きをしたり、自由にお絵かきしてみましょう。

シールやスタンプで遊ぶのもおすすめです。

楽しみながら、親指と人差し指を使った動作が上手になっていきます。

ひも通し

穴にひもを通す作業は、少し難しいですが細かい手先のコントロールが育まれます。

ボタンをかけたり、ファスナーをあげると言った、今後日常生活で必要となる動作にもつながります。

まずは穴が大きいものからチャレンジしてみましょう。

市販のおもちゃでも良いですし、段ボールに穴を開けて毛糸を通したり、短く切ったストローに毛糸を通したりするのも簡単に用意できますしおすすめです。

自作する場合は、ひもの先にセロテープなどを巻いて通しやすくしてあげてくださいね。

手遊び

歌に合わせて手遊びしてみましょう。

  • いっぽんばしこちょこちょ
  • ひげじいさん
  • おせんべやけたかな
  • げんこつ山のたぬきさん
  • グーチョキパーで何作ろう

はじめは、子どもの手をくすぐる「一本橋こちょこちょ」のような手遊びから初めて、徐々にまねして手を動かせるようにしていきましょう。

Youtubeなどにも手遊び動画は投稿されているので、参考にするのも良さそうです。

親子ヨガの「ぐーちょきぱーでなにつくろう?」にも、ぜひチャレンジしてみてください。

室内で簡単にできる親子ヨガあそび♩「ぐーちょきぱーでなにつくろう?編」

人と関わる遊び

遊びには、ひとりで遊ぶ「ひとり遊び」と、人と関わる「関わり遊び」、みんなで遊ぶ「グループ遊び」があります。

どれも大切なのですが、特に関わり遊びを通して、子どもはコミュニケーションの力を発達させていきます。

関わり遊びはどのようなものがあるか、紹介します。

おいかけっこやかくれんぼ

子どもは追いかけっこが大好きです。

つかまらないように走ったり、後ろを気をつけながら走ることで身体のバランス能力もつきます。

スタートとゴールを決めて、一緒にかけっこするのも良いですね。

かくれんぼでは、見つからないように隠れたり、探したりする遊びのルールの理解にも効果的です。

家の中でも、カーテンやドアの影などを利用して遊ぶことができます。

はじめはちゃんとルールを理解するのは難しいかもしれませんが、「みーつけた!」と言って捕まえたり、一緒に隠れたりするのも楽しいです。

お部屋の中で遊ぶときは、机の角やかべにぶつからないように、十分気をつけてくださいね。

おままごと

おままごとは、ごっこ遊びの中でも手軽に始められて良い効果がたくさんあるのでとてもおすすめです。

野菜や果物を切って遊ぶときことで、手の動かし方が上手になっていきます。

おもちゃのフライパンや調理器具でお料理して、ぬいぐるみに食べさせたりすることで、社会性も育まれます。

「できた」「いただきます」「ごちそうさまでした」など、実際の生活で使うことばも使ったり聞かせることができます。

おままごとができる年齢になったら、ぜひ親子でたくさんおままごとで遊んでくださいね。

ごっこ遊び

おままごとから、お店やさんごっこやお人形を使ったごっこ遊びに発展させてみましょう。

アンパンマンなど、好きなキャラクターの指人形や、動物のフィギュアなどを登場させるのがおすすめです。

頭の中で簡単なストーリーを作ったり、やりとりしながらイメージを広げて遊ぶことは発達にもとても良いですし、たくさんの言葉を使うチャンスがあります。

車や電車が好きな子なら、トミカやプラレールをごっこ遊びに取り入れてみるのも良いですね。

ごっこ遊びなどのやりとりの時に、「インリアル」を積極的に取り入れるのも効果的です。

インリアルとは?発語を促すために効果的な接し方を具体的に紹介!

まねっこ遊び

子どもは、大人の動作や声をまねすることで、生活動作やことばを身につけていきます。

まねっこ遊びは、発語にもとっても効果的です。

実はこれまで紹介してきた遊びも、「まねっこ」能力を使う遊びがたくさん含まれています。

動物のまねっこやキッズヨガ、手遊びも「まねっこ」する遊びですし、おままごとやごっこ遊びも、大人の動作を観察してまねする能力が必要です。

これまで紹介した以外には、太鼓や笛などの楽器もおすすめです。

太鼓などの楽器を使った遊び

まだ発語がない子にもおすすめな、楽器を使ったまねっこ遊びの方法を紹介します。

太鼓やタンバリン、カスタネット、笛など好きな楽器を用意しましょう。

  1. 「おもちゃのチャチャチャ」などの曲を流す
  2. 音楽に合わせて、大人が楽器を鳴らして見本を見せる
  3. 子どもに楽器をひとつ手渡して、一緒に鳴らす

曲のリズムに合っていなくても、音楽を聴きながら楽器を鳴らせていればOKです。

発展的な遊びとしては、机のしたやドアの向こうなど見えない場所で楽器を鳴らして、なんの音がしたか当てる遊びもおすすめです。

声やことばを使う遊び

いよいよ、声やことばを使う遊びを紹介します。

まだ発語のないお子さんの場合、意味のある言葉でなかったとしても「声」を出すだけでもとても効果的です。

たくさん笑ったり声を出すことで、口の周りの筋肉もつきますし、発語しやすい土台が作られていきます。

子どもを笑わせる遊び

  • いないいないばあ
  • 高い高い
  • 追いかけっこ
  • 体をくすぐる
  • にらめっこ(頬を膨らます練習にも)
  • 一本橋こちょこちょ など

息を吹くおもちゃや、声を使うおもちゃもおすすめです。

詳しくは以前紹介しましたので、次のページをご参照ください。

発語を促し発音の改善にもよい遊びと食事の工夫。口や舌の運動が大切!

電話ごっこ

まずは、ラップの芯を子どもの耳に当てて声を出してみましょう。

「もしもし」など、ことば以外にも、「わんわん」など動物の鳴き声を出したり、芯を叩いてみたり、いろいろな声を出して子どもの興味をひいてみてください。

その後、子どもに芯を手渡して、交代で声を出して遊んでみるのも良いですね。

意味のある言葉ではなくても、声を出すだけでもOKです。

電話のおもちゃやマイクを使ってお話するごっこ遊びも、楽しみながら声を出すことができるためとてもおすすめです。

まとめ・終わりに

今回は、1歳〜2歳頃の子どもにおすすめの遊びについて紹介しました。

1歳〜2歳は、身体が発達し、脳が育ち、社会性を身につけていく大切な時期です。

親子遊びを通して、子どもにたくさん良い刺激を与え、楽しみながら発達を促していきましょう。

KIZUKIは言語聴覚士による発達支援とことばの教室です

KIZUKIでは、子どもの発達や言葉に関する国家資格・言語聴覚士による個別レッスンを行なっています。

個別ですので、一人ひとりのお子さんに合わせて、効果的な方法で発語を引き出すレッスンを行うことができます。

お子さんのことばや発達について気になることがありましたら、お気軽にご相談くださいね。