宇宙語とは。いつまで続く?1歳〜2歳の子供や赤ちゃんの言葉が不明瞭な時の原因
赤ちゃんや幼い子どものおしゃべりは、まだはっきりとしないのが普通です。
一生懸命お話しているけど何と言っているのか分からないので、「宇宙語」や「◯◯ちゃん語」と言ったりすることもあるようです。
幼いお子様の言葉が不明瞭な場合の原因と接し方について、言語聴覚士が解説します。
子どもの宇宙語とは
まず、宇宙語とは、幼い子どもがおしゃべりしているけれど意味の分からない言葉のことを言います。専門用語ではありません。
言語聴覚士としてことばの相談を行っていて、保護者の方から「おしゃべりしているけど、”宇宙語”みたいで何を言っているのか分からなくて…」というご相談を受けることがあります。
子どもが言葉をお話できるようになるまでの成長過程で、頑張ってお話しているように聞こえるけれど意味の通じない言葉のことを、保護者の方たちの間で宇宙語と言うことがあるようですね。
宇宙語について解説するために、まずは赤ちゃん〜子供の言葉の発達について、簡単にご説明します。
赤ちゃん〜子どもの言葉の発達について
生まれたばかりの赤ちゃんは、まだお話することができません。
身体や心の発達に伴い、次のような順序で少しずつお話できるようになっていきます。
泣き声 → クーイング → 喃語 → 初語(発語)
クーイング(目安:生後2ヶ月〜)
生まれたばかりの赤ちゃんは、泣き声で不快感を伝えたりコミュニケーションしています。
生後2ヶ月頃から、「あー」や「うー」と、泣き声以外の音声を出せるようになっていきます。
この、泣き声ではない赤ちゃんの声のことを、クーイングと言います。
喃語(目安:生後6ヶ月〜)
生後半年ごろになると、クーイングから、少しずつ日本語に近い音声へと変わっていきます。
「まーまーまー」「あぶー」など、2音以上の音を続けて言うこともできるようになります。また、「マ行」「パ行」「バ行」など、唇を使った声も出せるようになっていきます。
このように2音以上の音からなる声のことを、喃語(なんご)と言います。
初語(目安:1歳前後)
これまでは、特に意味のない音声だったのですが、はじめてお話する意味のある言葉(発語)のことを「初語」と言います。
「ママ」「ブーブー(車)」など、発音しやすい繰り返しの音で、身近な言葉から言えるようになることが多いです。
初語の時期には個人差が大きいため、時期はあくまで目安です。
「宇宙語」はいつから始まりいつまで続く?
宇宙語は、喃語が出てから、意味のある言葉の数がある程度増えるまでの時期に現れることが多いようです。
初語が出たからといって、すぐにたくさんお話できるわけではありませんので、年齢で言うと1歳〜2歳ごろのお子様に多いのでは、と考えます。
言葉の発達のスピードには個人差が大きいので、初語がまだの場合や、初語が遅かった場合は、ことばの不明瞭な時期もそれだけ長くなります。
語いが増えて、お話できる言葉が増えていくと、宇宙語は自然に消えていくことが多いでしょう。
宇宙語は、お話できるようになる準備段階
宇宙語は、理解できる言葉が増え、お話したいことや伝えたいこともたくさん増えてきたけれど、まだ思った通りにすらすらとお話できないから生じる場合が多いです。
流暢にたくさんお話するので、まるで意味不明な独自の言語のように聞こえることもあります。
宇宙語のような、不明瞭な言葉でお話している子どもは、自分では正しく言っているつもりだったりします。
言葉が不明瞭だからといって、すぐに言葉の遅れや発達障害を心配する必要はありません。
声のたくさん出ているお子様の場合、意味のある発語が増えていく前段階の場合も多いので、まずはお話したい気持ちを受け止めてあげましょう。
宇宙語でお話している子どもへの接し方
子どもが「宇宙語」や「◯◯ちゃん語」でお話している時、どのように接すれば良いのでしょうか。
良い接し方を2点紹介します。
言いたいことを推測しよう
子どもの言葉をよく聞き、子どもが見ているものを観察すると、もしかしたら言いたい言葉や内容が分かるかもしれません。まずは視線を追って言葉を推測してみましょう。
特に1歳〜2歳のお子様は、まだすべての音を発音できないため、言いたいことが分かりにくいことがありますが、よく聴いてあげる姿勢が大切です。
違っても良いので、「わんわんいるね」「ブーブー走ってるね」「ごはんおいしいね」と、言いたいことを推測して、代弁してあげましょう。
繰り返して言ったり、相槌をうとう
言葉が聞き取れず、内容も推測できない時には、まずは聞こえた通りに繰り返して言ってあげましょう。
例えば、子どもが「あーうーあー!」と言ったら、大人もとりあえず「あーうーあー」と繰り返して言うようにします。
声を出して反応してもらえることで、”ちゃんと聴いているよ”という気持ちが伝わり、嬉しい気持ちになります。
毎回繰り返すのが大変なときには、「そうだね」「うんうん」と、相槌をうってあげるだけでも効果的です。
分からなくて困った表情をしたり、無視してしまうのではなく、まずは笑顔で反応してあげましょう。
こんな時には相談しましょう
宇宙語自体は、子どもからの発信が増えている証拠ですので、心配する必要はそれほどありません。
ただ、もし次のような様子がある場合は、言語聴覚士などの専門家に相談しましょう。
- 子どもが理解している言葉が少ない
- 2歳を過ぎても意味のある発語がない
- 3歳を過ぎても宇宙語のような発話が多く会話ができない
- 4歳を過ぎても言葉や発音がはっきりしない、発音が不明瞭で聞き取りにくい
言語聴覚士とは
言語聴覚士とは、言葉や発達に関する専門家(国家資格)です。
もし、ことばの発達やコミュニケーションについて心配になったら、言語聴覚士に相談しましょう。
接し方のアドバイスや、必要に応じたレッスン(セラピー)を受けることができます。
ことば発達セラピーKIZUKI は、言語聴覚士によることばの教室です。
オンラインで言葉の相談も行っております。
まとめ・終わりに
今回、赤ちゃんや幼い子どもの「宇宙語」と、良い接し方について紹介しました。
宇宙語は、意味のある言葉を話せるようになる前段階であることが多いです。
楽しい雰囲気で相槌をうったり、会話しているように接してあげることがおすすめです。
オンラインで言語聴覚士に気軽に相談
オンライン(Zoom)にて、ことばの発達相談を受け付けております。
お子さまの言葉の発達について気になったら、どうぞお気軽にご相談くださいね。