文字に興味がない子のひらがな・カタカナ学習方法。まずは基礎となる力を育もう
子どもが平仮名・カタカナを読めるようになるのは、4〜5歳ごろと言われています。
4歳を過ぎても文字に興味がない場合、どうすれば良いのでしょうか。
まずは、文字の基礎となる力を育むことが大切です!
文字を覚えるために必要な能力と学習方法について、言語聴覚士が分かりやすく解説致します。
ひらがなを覚えるために必要な能力とは
子どもは、いきなり平仮名や片仮名を使えるようになるのではありません。
実は、文字を使うために必要な能力は、2〜3歳ごろから徐々に備わっていきます。
文字を教える前に、まずは次のような文字の基礎となる能力を育む必要があります。
ことばの理解の発達
文字はことばを表すためのものですので、文字を覚える前にはことばの知識(語い)がある程度備わっている必要があります。
ことばを教えるために文字を学習するのではなく、まずは話しことばから増やしていくのが通常の方法です。
(例外:話しことばやコミュニケーションを促す手段として、サインや文字を使う場合もあります)
音の認識能力
日本語の文字にはひらがな・カタカナ・漢字があります。
- 漢字:文字の一つひとつが意味を持つ表意文字
- ひらがな・カタカナ:文字が音を表す表音文字
ひらがなで日本語を書くとき、単語は一つひとつの音(モーラ)に分解することができます。
例えば「さかな」ということばは、「さ」「か」「な」に分解することができますよね。
このように単語が音(モーラ)の組み合わせでできている、と気づくことを「音韻認識」と言います。
子どもは初めは、単語を音の組み合わせではなく、ひとかたまりで認識しています。
文字を覚えるためには、まずは単語が1文字づつ分解できるということに気づく必要があります。
視覚的な弁別能力
ひらがなやカタカナの文字の形を認識できる能力も必要です。
次の文字をご覧ください。
- 「い」と「り」
- 「は」と「ほ」
- 「ろ」と「る」
- 「れ」と「ね」と「わ」
形の似ている文字って、意外と多いですよね。
これらの文字を目で見て正しく見分ける力も必要になります。
文字と音の関連を覚えるための記憶力・集中力
たくさんの文字の形を覚えて、一つひとつ音と関連づけるためには、記憶力も必要です。
文字の学習には根気がいります。
ある程度集中して学習したり、繰り返して覚えるための集中力も必要になります。
文字の基礎となる能力の学習方法
KIZUKIで実際に行なっている、ひらがなを覚えるための基礎的な学習方法について紹介します。
音韻認識の練習
単語が音の集まりでできていると認識するための練習を行います。
- 「あ」のつくことばは?
- 「はさみ」は何文字?
などの課題を行なって、ことばを構成する「音」に注目させていきます。
イラストや写真などを使いながら遊び感覚で実施します。
マッチング課題
文字を識別する力を育むための練習を行います。
- イラストとイラストのマッチング
- 文字と文字のマッチング
- 単語と単語のマッチング
などの課題を行って、文字を視覚的に弁別・識別できるようにしていきます。
単語と関連づけてひらがなを1文字から学習
いよいよ文字の学習です。
- ひらがな1文字と単語のイラストを対応させる練習
- 文字とイラストを対応させる練習
などの課題を行なって、ひらがなを1文字ずつ学習していきます。
同時に、ひらがなを指でなぞる練習をしたりします。
まとめ・終わりに
今回は、ひらがな・カタカナの覚えるための土台についてと、教え方について紹介しました。
文字を覚えて使うためには様々な能力が必要です。
子どもが文字に興味を持たない場合、まだ文字を使うための土台が備わっていない場合も多いです。
いきなり文字を練習するのではなく、順序立てて学習していくことが遠回りにみえて効果的です。
KIZUKIでは言語聴覚士によることばのレッスンを行なっています。
子どもは4歳頃から文字に興味を持ち始め、5歳頃にはひらがな・カタカナを読めるようになることが多いです。
文字を使えるようになるには様々な能力の発達が必要で、練習が必要な場合もあります。
KIZUKIでは、言語聴覚士によることばのレッスンや、読み書きの指導を行なっています。
お子さまの文字の読み書きが気になる場合も、どうぞお気軽にご相談くださいね。