感覚統合とは?感覚を育む遊びの大切さ
日常生活の中で、私たちは様々な「感覚」を常に受け取り続けています。受け取った様々な感覚は脳で情報として処理され、必要なものを場面に応じて選択したりしています。
感覚を脳でうまく整理したりまとめたりする能力のことを「感覚統合」と呼びます。このページでは感覚統合について紹介していきます。
感覚統合が不器用な子どもの特徴
感覚統合とは、人に備わった7つの感覚を、脳が整理して取り入れる能力のことです。
7つの感覚とは、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚・平衡感覚・固有受容覚のことを指します。
※固有受容覚とは、「筋肉」や「関節」などの動きや力の入れ具合など皮膚より深部の感覚のことです。この感覚があることによって、わざわざ目で確認しなくても手の指を動かしたり力加減ができたりします。
感覚統合がうまくいかないとどのようなことが起きるのでしょうか?
例えば特定の感覚に対して敏感すぎたり、逆に鈍感であったりします。
例えばお子さまにこのような様子はありませんか?
- そわそわ動いて落ち着きがない
- その場でくるくる回ったりジャンプしたり繰り返す
- ねんどや濡れた感覚を嫌がる
- すべり台やブランコを怖がる。あるいは長時間遊び続ける。
- 窓の外をずっと眺め続ける
- スピーカーの音やテレビの音を怖がる
- ハサミやのりなどをうまく使えない
- 名前を呼んでもぼーっとしていて反応が少ない
もしこのような症状があれば、もしかしたら感覚統合がうまくいっていないことが問題であるかもしれません。
感覚統合セラピーの目的
感覚統合セラピーでは、感覚を用いた遊びを取り入れて様々な感覚情報を子どもに与えていきます。
楽しみながら無理なく感覚刺激を与えて、脳の情報処理がうまくいくように促し、子どもがうまく感覚に適応できるようにしていきます。
子どもにとっての苦手意識を少なくし、達成感を感じてもらい、楽しく遊べるようにすることを目的としています。無理やり苦手なことに取り組ませるのではありません。
子どもが「ちょっとだけやってみようかな」から始まり、「楽しい!」と思ってくれるような遊びを行います。例えば、動物ごっこ、シャボン玉、ねんど遊び、簡単な工作などです。
自主的に楽しく取りくめるような遊びを中心とした課題設定が大切です。どのような感覚遊びを行うかは、子どもの行動観察や、感覚統合についてのチェック項目から判断してプログラムを立てていきます。
お子さまの行動や感覚への過敏さ・鈍感さについてご不安があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
まとめ
- 人は常に様々な感覚情報を周囲の環境から受け取っている
- 感覚を脳が取り入れてまとめたり処理する能力のことを感覚統合という
- 感覚統合がうまくいかないと、特定の感覚に対する過敏さや鈍感さが現れる
- 感覚統合セラピーでは、特定の感覚についての子どもの苦手意識をなくして達成感を与えることを目的としている