二語文はいつから?2歳〜3歳の発話例。文章で話すための練習方法も紹介!

2020年5月27日

子どもはいつ頃から文章でお話できるようになるのでしょうか?

子どもが2語文でお話できるようになる時期と、語彙を増やすことの大切さ、効果的な語りかけ方について言語聴覚士が紹介します。

二語文とは

まずは、二語文について説明します。

二語文とは、簡単に言うと2つの単語からなる発話のことです。

赤ちゃんは初め単語から話せるようになります。

例えば、「ごはん」「ブーブー(車)」などの発語です。

それが、成長すると、徐々に2つの単語をくっつけてより詳しくお話できるようになっていきます。

例えば、「ごはんたべる」「青いブーブー」などです。

単語をくっつけてお話することができると、ことばでより多くの情報を伝えられるようになります。

二語文の例

二語文には様々な種類があります。

二語文にはどのような発話があるか、子どもの発話の例を挙げて紹介します。

  • 名詞+「ちょうだい」「とって」:「クッキーちょうだい」「ジュースとって」
  • 名詞+「あった」:「ボールあった」
  • 名詞+「できた」:「パズルできた」
  • 名詞+動詞:「パン食べる」
  • 形容詞+名詞:「黄色いちょうちょ」
  • 行き先+「行く」:「公園いく」
  • 乗り物+「乗る」:「電車のる」
  • 人の名前+動詞:「はなちゃん食べる(自分が食べたい)」「ママきた」
  • 人の名前+「やる・やって」:「ママやって」「はなちゃんやる」
  • 人の名前+所有物:「ママのかばん」
  • これ+名詞:「これ絵本」
  • 動詞+「する」:「ねんねする」     など 

このように、二語文にはたくさんの種類があります。

名詞+動詞だけが二語文ではないんですね。

二語文の段階では、まだ助詞(「が」「に」「を」など)は上手に使えず省略していることが多いです。

二語文の次は三語文へ

二語文を紹介しましたので、三語文につても簡単に紹介します。

三語文とは、3つの単語からなる発話です。

三語文にはどのような発話があるのでしょうか。子どもの発話の例を紹介します。

  • 主語+名詞+動詞:「ぼくがブランコにのる」
  • 人の名前+名詞+動詞:「ママにリボンをもらった」 など

二語文のときに比べて、お兄さん・お姉さんっぽい感じがしますね。

二語文の時は助詞を省略することが多いのですが、三語文でお話しできる時期になると、徐々に助詞も使い方もなんとなくわかってきます。

三語文や助詞については、また後日詳しく説明します。

【幼児〜小学生】助詞はいつから?「てにをは」を間違える時の練習と教え方

二語文でお話できるようになるのはいつ頃?

二語文は、何歳ごろから使えるようになるのでしょうか。

子どものことばの発達には個人差が大きいです。

早い子で1歳6ヶ月ぐらい、だいたい2歳前後ごろにお話できるようになることが多いようです。

個人差はありますが、3歳を過ぎても2語文が出ない場合、何らかの支援が必要な状態かもしれません。

二語文が出ない時に考えられる理由

発語はあるのに、二語文でお話できない時には、どのような理由があるのでしょうか。

考えられる原因を紹介します。

語い(特に形容詞・動詞)が少ない

初めの発語(初語)からしばらくは、語い(語彙)の数はまだ少ない状態です。

語いとは、知っていることばの知識のことを言います。

はじめは語いが少なく、ゆるやかに少しずつ増えていくのですが、ある時期を境に語いが爆発的に増えていきます。

そして、二語文が出始める2歳頃には300語以上、三語文が出始める3歳頃には500語〜1000語ものことばを使えるようになります。

先ほど二語文の例を紹介しましたが、二語文で話すには名詞だけではなく、動詞や形容詞など様々な種類のことばを知っている必要があります。

発語が増えてもなかなか二語文はならない場合、語いの数(特に動詞や形容詞)が足りていない場合が多いです。

二語文を使う機会がないのかも?

では、語いの数が十分足りていないのに、二語文にならないのはなぜでしょうか。

もしかしたら、使い方がわからないか、使う機会がないのかもしれません。

例えば、「ジュース」と一言いうだけですぐにお母さんからジュースをもらえてしまったら、「ジュースとって」とか「ジュースちょうだい」とか二語文で言う必要性がありません。

単語やジェスチャーだけでも、意外と要求は伝わってしまうため、二語文を使う機会を作ってあげる必要があります。

二語文を促す関わり方や練習方法を紹介

二語文が出ない時には、次の2つの方法が効果的です。

  1. 語いの数を増やす
  2. やりとりの中で二語文を使う

先ほど紹介したように、二語文を話すためには、たくさんのことばを知っている必要があります。

まずは語いの数をどんどん増やすことが大切です。

そして、語いが十分に増えたら、やりとりや遊びの中で二語文を使う練習をしていきましょう。

語いを増やすには絵本がおすすめ

日常生活の中で語いを増やしていくには限界があります。

身近にある物の名前は自然と覚えることができても、あまり目にしない物や経験したことのないことは、自然には増えていきません。

語いの数がどんどん増えていく2〜3歳代には、たくさんのことばに積極的に触れさせてあげることが大切です。

テレビや動画もわるくないのですが、絵本がおすすめです。

一方的にテレビを眺めているよりも、絵本の絵をみながら親子で会話をすることで、語いは効果的に増えていきます。

絵本の文章をただ読むだけではなく、「ご飯食べる、だね!」とか「帽子かぶる、だね」とか、大人が絵についてのコメントをしてあげると、目で見て耳で聴きながら文章でのお話の仕方のルールを学習することができます。

二語文を使うやりとりの方法

日常生活の中で、二語文の使い方を教えてあげることが大切です。

子どもがジュースを欲しい時に「ジュース」と言ったら、すかさず「ジュースのむ、って言って」など声かけして、まねしてもらいます。

上手に言えたら、すぐにジュースを手渡してあげましょう。

もし言えなくても、言うまであげないとか厳しくはしないでくださいね。

また、「ちょうだい」ばかり教えると他の動詞が少なくなってしまうため、「ジュース飲む」「りんごのジュース」とか、より詳しい言い方でまねしてもらうのが効果的です。

はじめはまねで良いので、二語文を使う頻度を増やしていくと、徐々に自発的にも使えるようになっていきます。

3歳を過ぎても二語文でお話できない時には?

3歳を過ぎてもことばが増えなかったり、二語文にならないという場合には、言語聴覚士などの専門家に相談してみるのがおすすめです。

お子さまでもできることばの検査をして、ことばの発達状況を詳しく調べ、必要な練習を行うことができます。

語いやことばの発達を調べてみよう

KIZUKIでは、言語聴覚士によることばの発達チェックを行なっています。

次のようなことばの検査を実施することができます。

  • 語いの発達を調べる検査
  • ことばの理解・表出・コミュニケーションの能力を調べる検査
  • 発音・滑舌の検査

ことばの検査と言っても、絵本をみながらお話したり、指さしで答えてもらったり、遊びの様子をみると言った内容ですので、お子さまへの負担はそれほどありません。

ことばの発達をチェックすると、語いが順調に増えているか、ことばの使い方のルールはわかっているかなどを詳しく調べられるため、その子に合わせたレッスンのプログラムを作成することができます。

まとめ・終わりに

今回は、二語文についてと、二語文が話せない時の原因、二語文の促し方について紹介しました。

二語文が話せない時には、語いの数が十分でない場合と、使い方がわからない・使う機会がない場合があります。

まずはことばの発達をチェックして、どこでつまづいているのか確かめてみるのがおすすめです。

KIZUKIは国家資格・言語聴覚士によることばの教室です

KIZUKIでは、言語聴覚士によることばの発達チェックや、個別のレッスンを実施しています。

一人ひとりに合わせたプログラムを作成し、効果的なレッスンを行うことができます。

お子さまのことばの発達について気になることがありましたら、どうぞお気軽にお問い合わせくださいね。